クラウドETLを利用すべき5つの理由と導入事例の紹介

クラウドETLは、サイロ化しているデータを集約・変換し、データ活用できる環境を構築する際に必要となるツールです。データ活用するにはETLが必要だという話はよく聞くけど、実際になぜETLが必要なのか腑に落ちていない方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は「クラウドETLを利用すべき5つの理由」として、ETLの必要性について解説します。ETLの導入を考えている方はもちろん、ETLの必要性を疑問視している方も参考にしていただければ幸いです。

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目次

クラウドETLを利用すべき5つの理由

早速、クラウドETLを利用すべき理由を5つ紹介していきます。

テレワーク推進による環境の変化

第一に挙げられる理由としては、企業のテレワーク推進による仕事環境の変化です。働き方改革やコロナウイルスの影響により、多くの企業ではテレワークを導入しています。東京都新型コロナウイルス感染症対策本部のデータによれば2020年4月の段階で60%以上の企業がテレワークを導入しているというデータもあるほどです。

参考URL:東京都新型コロナウイルス感染症対策本部 テレワーク導入率
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/01/22/17.html

つまり、これまでのように会社に出社してデータにアクセスできれば良いという時代は終わり、自宅からでも安全かつ円滑にデータにアクセスできる環境の構築が必要だという事を表しています。これまでオンプレミス環境でデータを管理していた企業は早急にクラウド環境へ移行しなければ、業務に支障が出てしまうことは明白です。

データ環境の整備を行なう際に活躍するのがクラウドETLです。オンプレミス環境で構築されていたデータをクラウド管理に移行する際にETLを使うことで、データ整備の効率や運用コストを下げることが可能です。

DXの推進

DXの推進も、クラウドETLが必要とされる理由のひとつです。働き方やビジネス環境が変わるとともに求められているのが、蓄積されたデータを用いた「適切かつスピード感のある判断」です。

目まぐるしいスピードで変化する現代のビジネスにおいて、データ活用はなくてはならない存在だと言われるほど、データは重要視されています。DX化を成功させるためのポイントは以下の通りです。

①データ活用の目的を明確化する
②データの整備・データ活用基盤の構築
③データドリブンな組織の構築

上記3つを意識し、実践することで初めてDX化がうまくいくと考えられており、これらを実現するにはクラウドETLが無ければ難しいと言えるでしょう。

データの整備や活用基盤の構築に自社のエンジニアの工数を割き、独自開発するには膨大なコストと時間がかかるからです。手動コーディングで構築された環境ではメンテナンスコストもかかるため、DX化するのであればETLの導入は必須であるといっても過言ではありません。

関連記事:DX推進のための体制整備【データ活用・データ分析】

SaaSの活用と連携

レガシーシステムからの脱却を目指す企業は、SaaSを積極的に活用し業務を効率化する傾向にあります。それぞれのアプリ間でデータを連携するのが容易なため、データ分析が効率的に行なえるというメリットもあります。

SaaSを使用する上でもETLの活用は重要です。各アプリ間でデータ連携をする際にクラウドETLを挟むことで、ノンプログラミングでデータの整形・変換・加工を行なうことが可能です。SaaS使用は今後も増大するため、それに伴いクラウドETLの必要性も同時に増えていくでしょう。

スケーラビリティにあわせた柔軟なリソース変更が可能

クラウドETLを導入すれば、スケーラビリティにあわせた柔軟なリソース変更が可能なのもメリットです。クラウドETLは必要な時に必要なだけリソースを使う仕組みになっているため、柔軟性が高くサービスの成長とともに拡張させることが可能です。

オンプレミス環境での構築だと、ストレージを拡張するのにも手間がかかります。クラウドなら、自社で何か対応する必要はありません。

また、オンプレミス環境ではデータ量が少ない時に使用していない容量が余っている状態になり、非常に非効率です。クラウドにすることで使用するデータ量に応じて最適なリソースを活用できるため効率的であるといえます。

固定費を運用費にできる

クラウドETLを導入すれば、固定費を運用費にできるのもメリットとして挙げられます。従来のオンプレミス環境では、「ストレージを拡張したことで固定費が上がってしまう」という考え方ではありません。

必要に応じてストレージを増やし、必要の無い時は最低限のストレージで稼働できるため、固定費ではなく運用費という考えになります。

運営側からすると、不必要な過剰投資を避け、必要なタイミングで資金を投下できる点は嬉しいはずです。

クラウドETLを活用した事例

クラウドETLはどのように役立てられるのか、実際に導入して活用した事例を3つ紹介します。

オンプレETLをクラウドETLへ移行し処理時間が40%程度削減できた例

1つ目は、EC事業をメインに行っている企業の事例です。クラウドETLを導入する以前は、前日の店舗別の売り上げ情報を連携する目的で、独自開発のオンプレミスETLを使用していました。

オンプレミスETLを使用していた頃には、以下のような問題点があったといいます。

  • データ連携エラーがたびたび起こる
  • エラー発生後に必要となるリカバリー処理に時間がかかる
  • エラーが発生しない場合でも連携作業に時間がかかる
  • コストがかかる

多い時には週に数回ものエラーが起こり、データ反映が翌日までできなかったケースも。エラーが発生するとリカバリー処理が必要ですが、多い時には月に15時間程度かかっています。

エラーが発生しなくても、処理時に時間がかかるとも感じていたそうです。さらにオンプレミス専用サーバーの運用費と変更発生時の作業費が高額で、コスト面でも問題がありました。変更発生時には工数の見積もりや支払いも必要で、コスト面だけではなく柔軟な変更がしにくいのもデメリットです。

オンプレミスETLからクラウドETLに移行した結果、以下のような変化が見られました。

  • エラー件数が0になりリカバリー処理も不要になった
  • 連携作業にかかる時間が40%程度削減できた
  • 処理変更をしたい時も柔軟に対応できるようになった

エラー件数が0になった結果、リカバリー処理が不要になったのが大きなメリットです。連携作業にかかる時間も短縮できたため、最新のデータをもとに議論や判断ができるようになり、ビジネス面でも効果を発揮しています。処理変更をしたいときも柔軟に対応でき、スピード感を持った取り組みも可能になりました。

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クラウドETLの導入が業務効率を改善し新サービス創出にもつながった例

2つ目は、デジタルソリューションを提供している企業の事例です。導入したクラウドETLは、自社プロダクトのデータエンジニアリングに活用しています。

クラウドETLを導入したのは会社としての転換期で、DXとデータ活用の重要性を感じていたといいます。データを集約・加工・整形して利用者のマーケティング活動に役立つ情報を提供したいという方向性は定まったものの、理想的なサービス展開にはつながっていない状態でした。

クラウドETLを自社プロダクトと連携させたところ、即時性のあるデータ解析が可能になり、「営業支援ツール」が生み出されています。社内の業務の効率化に役立ったのはもちろん、「営業支援ツール」を活用した利用者へのサポートも行えるようになり、結果として新サービスの創出へとつながりました。

今後もクラウドETLを自社開発事業と連携させて、さらなるサービスの質の向上を目指しています。

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他サービスとの連携によって業務の効率化に成功した例

3つ目は、賃貸住宅の管理会社の事例です。導入したクラウドETLは、データベースとスプレッドシートのデータ連携に活用しています。

クラウドETL導入前はExcelを利用した管理が多く、以下のような問題が見られました。

  • サーバーの容量が圧迫される
  • 探したいデータがすぐに見つからない
  • 複数人で同時にファイルを編集できず効率が悪い

サーバーの容量やデータの見つけやすさなどの問題を解決する目的で、データを一元管理できるサービスを導入した際に、合わせてクラウドETLも導入したといいます。

クラウドETLによって導入したサービスとスプレッドシートの内容を相互に反映させられるようになり、業務が効率化されました。特に外出時間が長い営業担当者が外でデータを扱えるようになったのは、大きなメリットでした。

今後はクラウドETLのデータ分析への活用を目指しています。

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「DataOps」で一歩先のデータ活用を実現する

先述の通り、近年「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉がブームとなり、多くの企業が自社内のデータ活用・分析を行うようになりました。

特に積極的な取り組みが行われたのが、データの統合や可視化です。社内のデータを集積するデータ活用・分析基盤としてのデータプラットフォームやデータレイクの構築、BIツールなどの導入が行われました。

データ統合や可視化を目的としてDXを行うことには何も問題がありません。しかし、組織におけるデータとその管理において、「可視化さえされればよい」として、個別最適なデータサイロが放置されているケースも多くあります。

その結果、データ管理コストの上昇ならびに「個々のデータをツールでつないでいった結果、データ基盤が複雑化する」リスクがあります。

DevOpsの考え方を、データ領域に適用する「DataOps」に従い、データ基盤およびデータ活用を考えていくと、以下のようなステップを踏むことになるでしょう。

  1. ビジネス戦略をデータ戦略ありきで考える
  2. データをカタログ化
  3. オープンなガバナンス・フレームワークを構築

それぞれの項目について、詳しく解説します。

ビジネス戦略をデータ戦略ありきで考える

DataOpsを元にしたデータ活用を考える場合、ビジネス戦略をデータ戦略ありきで考えることが重要です。つまり、ビジネス戦略を考える際に、同時にデータをどのように取り扱い、分析結果をどのように活かすか考えておく必要があります。

戦略なしにデータを収集した場合、データ分析の準備に時間がかかります。例えば、必要なデータを抽出したり、データを扱いやすい形に整形したりといった準備が必要です。

また、データの活用方法が決まっていないと、いざ分析しようとした時に必要なデータがなかったり、逆に不要なデータが多すぎて必要なデータがなかなか見つからなかったりなどのトラブルも考えられます。

事前にデータの取り扱いが決まっていれば、分析に使いやすい形のデータ保存が可能です。整形作業を自動化できれば、さらに業務効率が高まります。

まずはデータ分析によってもっとも成果が期待できるプロジェクトを選択し、それに合わせたデータ収集と保存を行いましょう。

データをカタログ化

データをビジネスに活用するためには、どこにどんなデータがあるかわかりやすい状態にしておく必要があります。

それをわかりやすい状態にするために、カタログ化を行います。カタログ化とは、どこにどんなデータがあるか、さまざまな視点から探しやすいよう整理することです。

例えば、テキスト・音声・動画といったデータの種類や、保存された時期、取得元などの情報からデータを探せるようにしておくことで、必要な情報を見つけやすくなります。

ビジネスの内容や取り扱うデータの種類によって適した整理方法は異なりますが、いずれにしても取り扱い方法を明確化し、カタログ化して探しやすい状態を作ることが重要です。

オープンなガバナンス・フレームワークを構築

データを管理するためのガバナンスも重要です。データガバナンスは「ルールの策定」「情報管理の運用」「ルールの遵守」の3つの柱を中心として行われます。ガバナンスによってデータが扱いやすくなるだけでなく、情報漏洩などのリスクを低減できます。

「ルールの策定」とは、データの取り扱いに関するルールを作ることです。データの取り扱いに関するルールは、企業内で統一されたものでなければなりません。例えば、部署ごとに異なるルールでデータを保存していたのでは、適切なデータ分析はできません。

保存場所や保存形式について、扱いやすさを考慮してルールを作ります。

「情報管理の運用」とは、策定されたルールに沿った情報管理の運用です。データを扱う全ての人が、ルールに沿った運用を行わなければなりません。ツールなどにより自動化できる部分があると、さらに効率のよい運用が可能です。

「ルールの遵守」とは、実際にルールを守った運用が行われているか確認することです。故意にルールを無視した場合だけでなく、ヒューマンエラーによりルールから外れた保存方法となってしまう場合もあります。

ツールによる自動化は、ヒューマンエラーを避けることにもつながります。運用を開始したら、ルールを守って運用が行われているか定期的に確認しましょう。

DataOpsのためにはデータをどこに保存したかわかりやすくするようなルールづくりも重要ですが、それに加えて、データをどのように取り扱うかのガバナンスも重要です。

最新のデータを用いた分析や意思決定を行うためには、データがどこにあっても活用できるような環境が理想です。そのためには、複数のクラウドサービスを組み合わせ、データ活用の基盤を構築する必要があります。

DataOpsには多くのデータが必要です。クラウドサービスは拡張性に優れている点もDataOpsにとって有利で、保存すべきデータが増えても対応が容易です。

クラウドETLならReckoner

これからのビジネスにおいてテレワーク、DX化、データドリブン、SaaSといった流れがある以上、クラウドETLがますます必要となる理由がお分かりいただけたかと思います。

弊社のETLツールである「Reckoner(レコナー)」は、GUIからの直観的な操作を実現し、プログラミング知識なくETL(Export, Transform, Loadを意味する、データの自動一括抽出・変換・投入サービス)を利用できます。

テレワークの環境に対応したデータ環境の構築やDX化をご検討の企業・組織に14日間無料トライアルをご提供しておりますので、ぜひご活用ください。

ETLツールについて詳しく知りたい、ETLツールの選び方を知りたいという方はこちらの「ETLツールとは?選び方やメリットを解説」をぜひご覧ください。

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