データ分析における「仮説の立て方と検証」について理解する
データ分析は、データドリブンな組織を目指していく上で欠かせないものです。組織全体がデータを元に仮説を立て、結果を検証して改善していければ、事業はより良い方向へと向かうはずです。
しかし、実際どのようにデータを元に仮説を立てて検証すべきかわからないという企業様も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、データ分析の重要性を解説した後に、仮説の立て方と検証方法について解説します。
目次
データ分析が注目される背景
そもそもなぜデータ分析が注目されているのでしょうか?データ分析が注目される背景には、主に以下の3つが考えられます。
- データ量の増加
- 機械学習/AI分野の発展
- DXやデジタル化への対応
データ量の増加
近年、さまざまなシステムやITツールが業務に取り入れられるようになり、企業で扱うデータは増加し続けています。他にも、SNSが普及したことにより、ユーザーの口コミや興味があるジャンルに関するデータが増加し、企業のマーケティングへと活用できる環境に変化しているのです。
こうしたデータ量の増加に伴い、一部の企業では「経験や勘に頼った意思決定」から脱却し、「データに基づく意思決定」(データドリブン)を志向し、意思決定の質を高める動きがあります。
機械学習/AI分野の発展
機械学習やAI分野では、大量のデータを学習することで人間が担っていた部分を機械が代用してくれる基盤を構築できます。データ分析は、大量のデータを学習するときにも利用される技術です。そのため、機械学習やAI分野が発展をし続ける現代において、データ分析の重要度が増しているのです。
例えば、画像判定をするAIがあったとします。画像判定をするためには、正解か不正解のどちらかを判断させる必要があるため、AIには正解となる画像データを学習させます。このとき、データ分析の技術を使って正解となる画像データの要素を解析し、AIへと取り込んでいきます。
DXやデジタル化への対応
DXとは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略で、デジタル技術を活用し、我々の生活や企業のビジネス変革を実現するための取り組みです。一方でデジタル化は、業務の効率化を目的とした取り組みで、デジタル化を実現した先にDXの成功が見えてきます。データ分析は、こうしたDXやデジタル化においても大きな役割を持っています。
例えば、データ分析によってデータの見える化が実現すると、データに基づいた意思決定が推進されます。これにより、勘や経験に基づく属人的な意思決定よりも、意思決定の質の差が生まれにくくなります。
データ分析の仮説の立て方と検証
データ分析における仮説は、ビジネスで抱えている課題との関係があるものを意味します。ビジネス活動を効率的に実施するためには、課題の解消が重要となるため、仮説を立ててデータ分析によって検証するのです。
ここでは、仮説の立て方とデータ分析による検証方法を解説します。
仮説の立て方
データ分析における仮説の立て方には、大きく以下の2種類があります。
- 予測型
- アイデア型
予測型は、ある取り組みを実施したときの結果よりも1歩先を予測し、それを課題として扱うことです。
例えば、製造業の製品販売数をテーマに仮説を立てるとします。製品販売数を今までよりも多くするとしたときに、社内で製造するリソースが不足してしまう可能性があるでしょう。そこで、「社内リソースの拡大や機械導入による人的リソースの削減を進める必要があるのではないか」という仮説が立てられます。このように、予測型は取り組みの先に生まれるであろう課題を予測し、仮説を立てていくのです。
アイデア型は、予測型と比べて目的が曖昧で定量的な設定が難しいときに利用します。
アイデア型では、実施している施策の中でも、拡張することで得られるメリットなどを仮説として扱っていきます。例えば、特定の商品の購入時にポイントを2倍付与したらどうなるのか、付属品と購入すると割引扱いにするとどうなるのかを仮説とするのです。アイデア型は、今ある施策に対する新たなアイデアを仮説として扱う考え方です。
データ分析の検証方法について
データ分析の検証方法には、主に以下2つの方法があります。
- 要因理解のための検証
- 課題解決のための検証
要因理解のための検証とは、突発的に発生した要因に対して、その理由を特定するための検証です。
例えば、ある時期を境にゲーム機やゲームソフトが急激に売上を伸ばしたとしましょう。売上を伸ばした理由としては、「テレワークが広がったから」「自宅にいる時間が増えたから」などの仮説を立てられます。ただし、データ分析による検証を実施した結果、そのほかの要素も売上に関係しているケースも考えられるでしょう。そのため、データ分析によって仮説が正しいのかを判断し、そのほかにも影響している要素があるかを検証するのです。
課題解決のための検証とは、事前に設定した目的に対する課題を発見するための検証です。
例えば、店舗の売上を拡大したいとします。もし、実店舗でのみ販売をしていた場合には、「オンラインショップを導入することで売上が上がるだろう」と仮説を立てられます。他にも「SNSで宣伝をする」「キャンペーンを打ち出す」なども考えられるでしょう。このように、課題解決では目的に対する課題を仮説として扱い、データ分析によって仮説が正しいのかを判断するのです。
データ分析における2つのポイント
データ分析では、以下2つのポイントが重要です。
- 成功要因を徹底強化
- 成功要因以外を徹底的に排除もしくは改善
成功要因を徹底強化
まずは、成功要因を特定し徹底的に強化していくことです。成功要因は、前述した仮説を立てて検証を繰り返していくことで導いていけるでしょう。その後は、成功要因を実現するために予算の拡大やリソースの追加を行っていき、より成果をあげられる環境作りに取り組むのが大切です。
成功要因以外を徹底的に排除もしくは改善
成功要因の徹底強化と並行して、強化対象以外の徹底的な排除や改善も必要となります。なぜなら、成功要因以外の多くは、コストやリソースを投入したにも関わらず成果をあげられていないものとなるためです。成果が期待されないものに投資をしても、無駄になってしまうケースが多いのです。
また、排除に加えて改善していく必要もあります。改善を加えることで、成功要因に良い影響を与える可能性も考えられるでしょう。
まとめ
データ分析は、データ量の増加やデータドリブンな組織を目指すためにも注目が集まっています。また、データ分析を成功させるために重要となるのが仮説を立てて検証することです。仮説と検証を繰り返すことで、目的に対する最適な施策を洗い出せるでしょう。しかし、一からデータ分析に取り組もうと思っても、専門的なスキルを保有している人材がいないと進められないのが現状です。
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