RPAとETLを用いた業務効率向上の施策

企業における業務効率化の施策としてRPAの導入を検討している、もしくは実際に導入したことがある企業様も多いのではないでしょうか。

RPAというと、「PC作業を自動化して効率化に繋げる」というイメージがあるかもしれません。しかし、DBやexcelといったデータソースを活用することで、一歩踏み込んだ業務効率化および自動化が実現します。

本記事では、「RPA」とデータ活用基盤の構築に不可欠な「ETL」を用いた業務効率向上および自動化の施策を紹介いたします。

目次

RPAとETLとは何か

そもそもRPAとETLとは、どのようなものでしょうか?

ここでは、それぞれの概要を解説しましょう。

RPAとは

RPAとは「Robotic Process Automation」の略で、人間の作業をプログラムによって自動化する技術のことです。RPAでは、AIや機械学習の技術を活用した自動化も実現しています。

例えば、あるシステムから出力されるCSVファイルを別のシステムに取り込むといった処理を毎朝実施しているとします。このケースでは、RPAに以下の行動を学習させます。

  • システムへアクセスする
  • システムからCSVを出力する
  • CSVを別のシステムにインポートする

これらの行動を学習させることで、RPAが毎朝定期的に実施してくれます。つまり、RPAは決められたプロセスを実行するのに優れており、日次処理や週次処理などの定期的な作業への活用がおすすめです。

ETLとは

ETLとは「Extract (抽出)、Transform (変換)、Load (書き出し)」の頭文字を取った言葉で、データの効果的な処理における必要な機能を持っています。

Extractでは、データの収集先となるデータソースにアクセスし必要なデータを取得します。続いて、取得したデータを決められたフォーマットに整えていく必要があり、Transformがこの役割を果たしています。最後に、Loadの機能でDWHなどの大規模データベースへ格納します。

ETLを導入することで、社内または社外のデータと接続・統合し、一元的な処理が行なえます。現在は、多くのデータに対して効率的に接続できるETLツールを利用し、導入により、データソースへのアクセスや集約を効率的に実現できるのです。

RPAとETLを用いた業務効率を考える

PC作業を効率化するRPAとデータ整備を行うETLでは、一見遠い存在のように見えるかもしれません。しかし、この2つのツールをうまく活用することで業務効率を最大化させることが可能です。

ここでは、具体的な業務効率化の例を2つご紹介します。

請求データの照合(売掛金管理)自動化

1つ目は、RPAとETLを組み合わせて、膨大な手動処理の自動化を実現した例です。ここでは、取引先に送付した請求書が、請求書記載の内容、条件で正しく入金されているかを確認する業務(売掛金管理)があります。

このケースでは、大きく以下の作業フローが想定されます。

  1. 経理システムのデータを、自動でダウンロードする(RPAが担当)
  2. オンラインバンキングの入金履歴をダウンロードする(RPAが担当)
  3. ダウンロードした2つのデータを、照合可能な状態に加工する(ETLが担当)
  4. 2つのデータを照合する(ETLが担当)
  5. 結果をメール添付して関係者に送付する(RPAが担当)

売掛金情報と、入金情報を付け合わせて、取引先から予定通り入金されているかを自動で確認することで、手動業務の削減による正確性の向上ならびに残業などの人件費削減が見込めます。

定例会議用のレポート作成自動化

2つ目は、会議などで利用するレポートや営業資料の自動化です。

例えば、マーケティングの会議を想定してみましょう。必要なデータソースは、「Salesforce」「マーケティングオートメーションツール」「Google Analytics」「Google Search Console」「ExcelやGoogleスプレッドシート」など多岐にわたります。

このケースでは、以下の作業フローが想定されます。

  • 各ツールのデータを自動ダウンロード(RPAが担当)
  • ダウンロードしたデータを、整形ならびに自動計算(ETLが担当)
  • 作成したファイルを、指定フォルダにアップロード(ETLが担当)
  • 会議開始前に関係者にメール送付(RPAが担当)

特に工数がかかるデータの整形と計算ロジックの適用が自動で実施されるだけでなく、ETLを用いてヒューマンエラーが激減するため、効率化、迅速化、人件費の削減が見込めます。

そして、レポート自動化が効果的なのは、横展開のニーズが高いことです。例えば、マーケティング部門以外でも、営業部門、サポート部門、企画部門など、それぞれの業務でレポートを作成する業務があります。

また、同じ部門内でも「レポートが1つだけあればよい」わけではなく、部門内のさらに小さな単位でレポートが必要になります。例えば、「東京営業部」「大阪営業第一課」といった部や課単位であったり、「A製品販売レポート」「B製品販売レポート」といった製品単位などの製品単位などです。

こうした組織内における「多種多様なレポート作成ニーズ」の多くを吸収できる点が、レポート作成自動化のメリットといえます。

「データ活用基盤」を中心に自動化や効率化を考える

これまでRPAとETLを用いた業務効率化、自動化について解説してきましたが、データビジネスの基本は「データ活用基盤の構築」です。データ活用基盤が整っていないと、すぐにデータ活用ができないためです。

しかし、基盤の構築はデータがサイロ化しやすく、適切な形で一元管理するのが難しいためなかなか進められない企業様が多いでしょう。そこで、データ活用を考えている企業様は構築のプロにお任せするのがおすすめです。

弊社3shakeは、データ統合基盤の戦略策定から運用までを総合的に支援しています。インフラやセキュリティに強い設計も提供できるため、安定稼働も実現できます。これからデータ基盤の構築を考えている企業様は、ぜひ3shakeまでご相談ください。
ETLツールについて詳しく知りたい、ETLツールの選び方を知りたいという方はこちらの「ETLツールとは?選び方やメリットを解説」をぜひご覧ください。

ブログ一覧へ戻る