kintoneからSalesforceへのデータ転記を完全自動化!
作業工数90%削減、作業体制50%削減を実現!

株式会社NTTデータビジネスブレインズ

導入企業紹介

株式会社NTTデータビジネスブレインズは、大手硝子メーカー「日本板硝子社」の情報システム部門としての役割と、ユーザ系SIerの役割を担っています。NTTデータのグループ会社として、電子帳簿保存法・インボイス制度対応のクラウドサービス「ClimberCloud®」をはじめ、多様な業界の顧客へ、情報システム構築・運用支援などを展開しています。


同社では、「ClimberCloud®」のバックオフィス業務において、業務効率化が急務となっていました。具体的には、業務工数や稼働体制の削減、ヒューマンエラーの撲滅、正確な情報共有などが課題として挙げられていました。


従来のExcel運用を廃止し、サイボウズ社のノーコード・ローコードで業務アプリが作れる「kintone」に置き換えたものの、顧客マスタであるSalesforceへのデータ転記業務が残る結果となりました。そこで、スリーシェイク社のクラウド型データ連携ツール「Reckoner」を導入し、kintoneで管理する「ClimberCloud®」の契約情報をSalesforceへ自動連携する一気通貫の仕組みを構築しました。


Reckonerを導入した感想や今後の展望などについて、株式会社NTTデータビジネスブレインズ 山本 恒夫(やまもとつねお)さん、前田 竜彦(まえだたつひこ)さんにお話を伺いました。

Reckoner導入前の問題点とReckoner導入による効果

問 題 点

  • 「ClimberCloud®」の契約情報や承認ステータス管理を従来のExcel運用からkintoneへ移行したことにより、契約情報がkintoneに蓄積されるようになったため、ExcelとSalesforceへの二重手入力からは脱却できた。しかし、kintoneからSalesforceへの転記手作業が残存することに。
  • 「ClimberCloud®」の契約数が急増したことで、kintoneで受けた契約情報をSalesforceへ転記する作業量が膨大なものとなり担当者の業務負荷が増大し、手作業での運用が限界になった。
  • 転記ミス・漏れなどのヒューマンエラー発生のリスクや、それらを防ぐためのダブルチェックによる非効率な稼働体制、担当者の心理的負担の増加も問題点として浮上した。
  • Salesforceの情報に誤りがあると、後続業務に大きな影響が及ぶため、kintoneとSalesforce間のデータ自動連携を早急に実現し、情報の正確性向上にも取り組む必要があった。
右矢印 下矢印

効 果

  • Reckoner導入により、kintoneからSalesforceへのデータ自動連携が実現したことで、転記作業が不要になり、以下の効果があった。
    ・本業務における工数90%削減。(10日/月→1日/月)
    ・本業務における体制50%削減。(2人体制→ほぼ1人)
    ・本業務におけるヒューマンエラー発生のリスク軽減。
    ・担当者は本業務から解放され、心理的負担が軽減された。
    ・担当者は空いた時間で他の業務に従事することが可能になった。
    ・Salesforceの情報精度が向上した。


――はじめに、御社の事業内容を教えてください。

1987年に日本板硝子の情報システム部門から独立し、2003年にNTTデータの出資により創業しました。複数サービスを展開しておりますが、我々の管掌サービスである「ClimberCloud®」は、電子帳簿保存法・インボイス制度に対応したデータの一元管理を可能にするクラウドサービスです。「ClimberCloud®」は累計契約者数5,400社(2024年7月現在)を誇り、業務システムとAPI連携をすることで、承認済み請求書や帳簿データなどを自動で「ClimberCloud®」へ取り込むことが可能です。そして、月額900円からの利用しやすい料金設定や、電子帳簿保存法の各種法要件への対応、インボイス制度・タイムスタンプ対応・JIIMA法的要件・Peppolサービスプロバイダ認証を取得している点も特長です。

――ご自身はどのような役割・業務を担当していますか?

「ClimberCloud®」チームでは、開発からサポートまでをすべてチーム内でおこなっています。その中でも、山本が「ClimberCloud®」ビジネスの統括・推進を担い、前田が「ClimberCloud®」ビジネスのバックオフィス業務を担っています。少数精鋭でサービスの質向上を目指し、業務効率化にも積極的に取り組んでいます。

※本インタビューは2024年7月に実施

kintoneからSalesforceへの手作業によるデータ転記業務に限界を感じるようになった。人的ミスの発生・業務負荷・情報精度など、様々な問題を抱える運用体制の改善が急務に。

――Reckonerの導入前にどのような課題がありましたか?

「ClimberCloud®」の契約情報は、当初、バックオフィス業務担当者がExcelとSalesforceの両方に手入力をしていました。Excelをkintoneに切り替えたことで、契約情報の自動蓄積や二重手入力の解消など、段階的にDX・業務効率化を進めることができましたが、kintoneからSalesforceへの転記手作業は残ってしまう結果となりました。

しばらくは手作業で転記をおこなっておりましたが、「ClimberCloud®」の契約数急増に伴い転記作業量が膨大なものとなり、担当者の業務負荷が増大していました。社内運用として、Salesforceにはお客様からの問い合わせや資料請求時の情報が直接登録されるようになっていますが、契約時の情報はkinotneにしか登録されません。そのため、顧客マスタであるSalesforceへ、kintoneの契約情報を追加する必要があります。本業務において、転記ミスや漏れなどのヒューマンエラーを起こさないようにするため担当者の心理的負担が大きいことや、ダブルチェックによる非効率な稼働体制も問題点として浮上していました。さらに、データの転記だけではなく、Salesforceでの取引先項目や担当者項目の新規作成も手作業のため、終日、本業務に追われることもありました。

また、マーケティングやサポートなど様々な業務でSalesforceのデータを活用しているため、Salesforceには常に正確で完全なデータが登録されていなければなりません。

このままでは非効率なだけでなく、情報精度の低下や他業務への悪影響も懸念されました。そこで、kintoneからSalesforceへの自動データ連携による業務効率化が喫緊の課題と判断しました。

「kintoneからSalesforceへの自動データ連携による業務効率化が課題となっていた」と振り返る山本さん(手前)と前田さん(奥)

Reckoner導入の決め手は「ClimberCloud®」との連携とノーコードで操作できること。

――Reckonerを導入することにした経緯・理由を教えてください。

データ連携ツールはクラウドサービスで検討していました。価格、使いやすさ、インターフェースを考慮し、いくつかのサービスの情報収集をしていました。そんな中、Reckonerと「ClimberCloud®」の正式なサービス連携を知り、Reckoner一択に絞って検討することに。トライアルもReckonerのみ利用しました。

決め手となったのは、ノーコードで操作できる点です。バックオフィス部門にもITに強いメンバーはいますが、Reckonerは専門的な知識がなくても扱える点が魅力的でした。そして、ドラッグアンドドロップで簡単にワークフローを作成できる点も高く評価できるポイントです。そもそも、開発が必要なツールは最初から検討対象外でした。

1カ月間トライアルを実施。2カ月ほど一部機能の先行利用を経て、本格運用を開始。

――どのようなプロセスでReckonerを導入しましたか?

月初めの請求業務がひと段落したタイミングで、Reckonerのトライアルを開始しました。期間は約1カ月間で、バックオフィス部門だけで実施しました。トライアルでは、とにかく実現可能性を重視して検証しました。その結果、ある程度の運用が可能だと判断できたため、契約を進めることに。一部機能の先行利用を経て、約2カ月後には本格運用を開始しました。

kintoneの契約情報を顧客マスタであるSalesforceへ自動連携。

――具体的に、どのようなワークフローを構築したか教えてください。

Reckonerでは、kintoneとSalesforceの自動データ連携を実現するワークフローを構築しました。

具体的には、「ClimberCloud®」の契約に関する情報がkintoneに登録されると、顧客マスタであるSalesforceに自動連携されるように設定。さらに、データ連携だけでなく、Salesforce側の取引先や担当者などの項目も自動で新規作成されるように設定しています。

スケジュール実行機能により、作るのは1度、自動連携はずっと。

――Reckonerにより構築した仕組みを、現在どのように活用していますか?

現在、Reckonerは「ClimberCloud®」のバックオフィス業務で活用しており、データ連携は毎営業日に自動実行されるように設定しています。

システム構築後は、ほとんどReckonerの設定を変更することなく、kintoneからSalesforceへのデータ連携が自動的に行われています。新しい契約形態やオプションが追加されるなど、大きな変更があった場合にのみ、メンテナンスが必要となる程度です。

親切丁寧なサポートとノーコードの使いやすさが魅力。

――実際に使ってみて、Reckonerの性能やサービスの品質についてどう感じていますか?

Reckonerの魅力は、サポートの手厚さとノーコードで操作できる点です。

サポートに関しては、メールの対応が丁寧で迅速な点が助かっています。ヘルプページを見ても解決しない問題があった際には、Web会議で画面を共有しながら相談に乗っていただきました。30分と設定された時間枠を大幅に超えてしまうこともありましたが…(笑)

Reckonerの設定だけでなく、Salesforceに関するこれまでの知見や経験をもとに、当社のSalesforce設定の内容確認も含めて親身になってサポートしていただき大変感謝しています。サポートの手厚さもReckonerを契約しようと思った決め手でもあります。

また、Reckonerはプログラミング不要で操作できるため、コンピュータースキルが一般的なレベルの担当者でも問題なく使用できると思います。専門知識がなくても簡単に扱うことができ、メンテナンスも容易な点は大きな魅力です。

データ転記作業の工数90%削減(10日/月→1日/月)、体制も50%削減(2名体制→1人体制)を実現!

――Reckonerの導入により、どのような効果・変化がありましたか?

Reckoner導入前は、「ClimberCloud®」の契約申込が多い時期には2名体制で対応しており、kintoneからSalesforceへのデータ転記作業に約10人日/月もの工数がかかっていました。

Reckoner導入により、この作業は1名によるチェックのみで済むようになり、体制を50%削減。2名体制からほぼ1名で対応できるようになりました。

また、データ転記作業の工数も90%削減され、1人日/月で完了できるようになりました。削減された時間で、更なる業務効率化や「ClimberCloud®」のサービス向上のための施策検討など、より付加価値の高い業務に取り組めるようになりました。

さらに、手作業による転記作業から解放されたことで、人的ミス発生を撲滅、担当者の心理的な負担も大幅に軽減されました。

Reckoner導入を機に業務整理をおこなったことで、業務フロー全体の効率化も達成でき、これもReckoner導入によってもたらされた効果だと実感しています。

Excel運用からkintoneへの置き換えだけでは、DX・業務効率化の実現は一部分に留まっていましたが、一気通貫のデータ連携・全自動化はReckonerを導入したことで実現できたと思います。

想定外の課題も、サポートのおかげで乗り越えられた。

――逆に大変だったことや苦労したことはありますか?

トライアル開始当初は、とにかくkintoneに登録される「ClimberCloud®」の新規契約情報をSalesforceに自動連携できれば良いと考えていました。そのため、重複データチェックやSalesforceの項目作成順序、契約パターンに応じた分岐など、詳細な運用ルールを想定していませんでした。

しかし、実際に運用を検討する中で、より正確なデータを連携するために、当初想定していなかった工程までReckonerで設定する必要が出てきました。

サポートの方には、私たちが見落としていた点まで丁寧にアドバイスいただき、大変助かりました。

結果的に、業務の洗い出しやルール明確化・共有に想定以上の時間を要しましたが、Reckoner導入を機に、これらを整備できたのは大きな収穫でした。

定型業務の自動化を推進し、さらなる業務効率化へ。

――今後どのようにReckonerを活用していくか、展望をお聞かせください。

今後は、「ClimberCloud®」の他のバックオフィス定型業務の自動化に、Reckonerを積極的に活用していきたいと考えています。また、カスタマーサクセス業務においても、データ転記手作業が発生している業務があれば、Reckonerの利用を検討する予定です。

――最後に、スリーシェイクやReckonerに今後期待することがあればお聞かせください。

Reckonerには、機能面とノウハウ面の両方で、期待することがあります。

機能面では、作成済みワークフローの概要を出力できるリバースエンジニアリングのような機能や、画面サイズに合わせた自動整列機能などが実現すると、さらに便利になると感じています。

ノウハウ面では、導入初期にReckonerをスムーズに理解し、使いこなせるように、テンプレートやヘルプページの充実を期待します。FAQの拡充や機能説明の分かりやすさ向上にも、ぜひ取り組んでいただきたいと思っております。

――お忙しいところお話しをお聞かせいただきありがとうございました!

「ClimberCloud®」のマスコットキャラクター「クライニャー」とともに

・「Excel」の名称およびロゴは、Microsoft Corporationの米国及びその他の国における商標または登録商標です。
・「kintone」の名称およびロゴは、サイボウズ株式会社の登録商標または商標です。
・「Salesforce」の名称およびロゴは、Salesforce,Inc.の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
・「ClimberCloud®」の名称およびロゴは、株式会社NTTデータビジネスブレインズの登録商標です。

導入事例一覧へ戻る