kintone+Reckonerで、データの属人管理とSalesforceへの二重入力から脱却!
ノーコードツールでつくる、営業ナレッジが溜まり、人的ミスがゼロになったデータ連携の仕組みとは?

株式会社阪神コンテンツリンク

導入企業紹介

株式会社阪神コンテンツリンクは、阪神甲子園球場・阪神タイガースの広告総代理店として、さまざまなクライアントニーズに応えるサービスを提供しております。また、阪神タイガースの中継映像制作・配信を行う「タイガースai」の企画制作も行っております。さらに、ビルボード事業ではビルボードライブを運営。インバウンド事業部では相撲エンターテインメント「日楽座」も手がけており、多岐にわたるコンテンツ作成に取り組んでいます。


今回、営業担当者や管理職、関連会社間における阪神タイガースの1Dayスポンサーの情報連携において、ヒューマンエラーや情報漏れをなくし、スムーズな情報共有を実現する課題がありました。この課題に対し、サイボウズ社のノーコード・ローコードで業務アプリが作れる『kintone』と、スリーシェイクのクラウド型データ連携ツール『Reckoner』を導入し、kintoneで情報を一元管理して、必要なデータのみをSalesforceへ連携する一気通貫のデータ連携の仕組みを構築しました。


Reckonerを導入した感想や今後の展望などについて、株式会社阪神コンテンツリンク ベースボール事業部 岩城 順大(いわき まさひろ)さんにお話を伺いました。

課題と導入効果

課 題

  • 1Dayスポンサーにおけるクライアント情報はExcelとSalesforceで別々に管理されている。
  • Excelは、営業担当者毎に独自のフォーマットで入力されているため属人化の温床に。
  • Salesforceは、管理職や関連会社と共有するマスタデータとなっており、ExcelからSalesforceへ二重入力する手間とオペミスのリスクが内在。
  • Salesforceの情報が誤っていると、営業担当者に都度問い合わせる手間が発生。また、関係各所へ提出する申請書作成時に内容の不整合が生じ、信頼損失の可能性も。
  • これらの課題に対処するため、情報の統一管理と正確性向上に取り組む必要があった。  
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効 果

  • Reckonerを導入したことにより、kintoneからSalesforceへデータの自動連携を実現し(二重入力の撲滅)、人的ミスが軽減された。
  • 営業担当者がSalesforceへ転記する待ち時間がなくなり、最新のクライアント状況が把握しやすくなった。また、情報の正確性も向上した。
  • kintoneを導入(Excelからの置き換え)したことで、営業のナレッジを溜めることができ、過去の事例やノウハウを活用できる体制も整えることができた。


1Dayスポンサーにおけるクライアント情報をExcelとSalesforceで別々に管理。二重入力の手間と漏れやミスのリスクがあった。

――はじめに、御社の事業内容を教えてください。

1989年に設立した会社で、エンターテインメント事業を主軸にビジネス展開をしています。さまざま事業分野がありますが、私が所属しているベースボール事業部では、広告総合代理店として、野球の聖地である阪神甲子園球場及び2023年に日本一となった阪神タイガースの媒体を取り扱っている点が強みです。知名度向上だけでなく、福利厚生用のメニューなどクライアントニーズによって、プランを組み替えて提案しており、BtoB、BtoC、ナショナルクライアント、地場企業問わず、全国各地、数百社のクライアントがいます。

――ご自身はどのような役割・業務を担当していますか?

阪神甲子園球場・阪神タイガースへの広告出稿を検討している企業様に対してマーケティング施策の企画と実行、インサイドセールスをメインでおこなっています。対社内においては、部門を超えた社内業務の効率化を推進する役割を担っています。

※本インタビューは2024年5月に実施

――Reckonerの導入前にどのような課題がありましたか?

営業部門では、各営業担当者が1Dayスポンサーのクライアント情報を個々のExcelファイルに異なるフォーマットで入力しており、情報が個人に依存していました。また、営業活動の進捗状況や1Dayスポンサーにおける最低限必要なクライアント情報(イベントやセレモニーの実施有無、スポンサーはどこか等)はSalesforceをマスタとして管理職や関連会社と共有しているため、営業担当者はExcelファイルとSalesforceに情報を入力する二度手間が発生していました。

従来の管理体制では、営業担当者がSalesforceに入力するタイミングに依存しているので、Salesforceが更新されていないと管理職や関連会社は最新のクライアント状況がわからず正確な意思決定ができません。また、Salesforceの情報を基に関係各所への申請書を作成しているため、内容に不整合が生じた場合は、都度営業担当者に確認する必要がありました。

今後中長期的な目線で考えた時に、今のやりかたは非効率であり、いつか大きなミスに繋がってしまう可能性があると感じ、新たな取り組みとして『kintone』の導入と『Salesforceへ自動でデータが連携される仕組み』づくりを検討しました。

「データの属人管理とSalesforceへの二重入力による、人的ミス発生のリスクが課題になっていた」と振り返る岩城さん

――Reckonerを導入することにした経緯・理由を教えてください。

検討を始めた当初、実は、Reckonerは選択肢にありませんでした。

外部企業にバッチを委託構築(kintoneからCSVデータをエクスポートし、それを加工してSalesforceにインポート)するという方法を考えていました。

ただこの方法だと、次のような課題があることに気が付きました。
・バッチの修正や不具合対応を迅速に行うためには、社内に専門知識を有する人材が必要
・外部に依頼するとなると、都度要件定義や見積りが発生するため、コストやスピード感に不安
・社内向けの操作マニュアル作成にも手間がかかり、運用の更新などが困難

もっと、ITの専門知識がなくても社内人材だけで構築できる他の方法はないかと、新たに情報収集を始めた時に、Reckonerに出会いました。

試しにReckonerを使ってみると、画面を見るだけで、データを取り込んでSalesforceに渡す方法やどのような加工ができるかのイメージがわき、まさに「直感的に使えそう」というのが第一印象でした。

kintoneの最低限必要な情報をマスタであるSalesforceへReckonerで自動転記。迅速なレスポンスと手厚いサポートでスムーズに構築。

――どのようなプロセスでReckonerを導入しましたか?

Reckonerを導入するまでの流れは、検討段階からトライアル利用、最終的な契約締結まで、およそ4か月ほどかかりました。この期間中、情報システム部門や上司など関係者に進捗を報告しながら、主に自分で手を動かして検証を行いました。最終的には、現状と導入の目的、導入による効果、Reckonerの費用感についてまとめた稟議書を提出し、社内での承認を得ました。

トライアル利用の段階から、サポートの方には大変助けられました。まずなによりもレスポンスが早い。やりたいことを実現するために、Reckonerの設定だけでなく、当社のSalesforce設定の内容確認も含めてサポートをしていただきました。そして、当社特有のデータ加工処理に関して困っていることを相談すると、すぐに対応してくれました。また、データの突合部分で苦労していた際には、ぱっとワークフローのサンプルを用意してくれたため、自分で思考錯誤する必要がなく、即座にデータ連携を実行できたのは本当に助かりました。

――具体的に、どのようなワークフローを構築したか教えてください。

kintoneとSalesforceの情報連携でReckonerを利用しています。kintoneは営業担当者が主に利用し、Salesforceは営業担当者だけでなく、管理職や関連会社が利用しています。具体的には、kintoneへは、クライアントにkintoneのプラグインであるフォームブリッジを通じて1Dayスポンサーにおける各種情報を入れていただきつつ、営業担当者も情報を更新しています。そして、kintoneに入力された最低限必要な情報を、顧客管理マスタであるSalesforceへ自動転記するワークフローをReckonerで構築しました。

――Reckonerにより構築した仕組みを、現在どのように活用していますか?

社員の出勤や休憩時間、退勤時刻など業務の節目となる時間帯を目途に、最新の情報がSalesforceで確認できるよう、データ連携は5時間おきに実行されるよう設定しています。

イベントやセレモニーなどの実施有無や詳細情報を、事前に関係各所に申請する必要があるのですが、ReckonerでkintoneからSalesforceに自動でデータが連携されるようになったことで、申請書を作成する担当者がSalesforceを見るだけでスピーディーに着手できる状態になりました。

――実際に使ってみて、Reckonerの性能やサービスの品質についてどう感じていますか?

直感的に操作できるのがいいな、というのが一番に思ったことです。当初検討していたバッチファイルでのやりとりでは、どうしても中身を読み解かないといけません。今後新たにこの業務を担当するメンバーが挙動を理解しメンテナンスできるかと言われると、絶対にできないと思いました。ReckonerはITに詳しくない人でも、画面を見れば直感的に操作ができ、データ連携の仕組みが理解しやすい点が大きな魅力だと感じました。

二重入力がゼロになり、人的ミスが軽減され情報の正確性が向上。営業ナレッジを溜める土台がより強固に整えられた。

――Reckonerの導入により、どのような効果・変化がありましたか?

kintoneからSalesforceへ必要な情報が自動転記される仕組みが構築できたことによって、営業担当者がSalesforceに情報を入力する手間がゼロになり、間違いや入力漏れといった人的ミス発生のリスクが軽減されました。

以前は営業担当者のリソースやタイミングに依存していたため、Salesforceに情報が揃うまでに数日かかり催促も発生していました。しかしReckonerでは事前に設定したスケジュールで処理が行われるため、営業担当者がSalesforceへ入力する「待ちの時間」が無くなり、管理職や関連会社の方々が、必要な情報を必要なタイミングで把握できるようになりました。

kintoneの導入により、これまでのExcel管理による情報属人化を防ぐことができ、営業ナレッジを溜めていくことで、過去の事例やノウハウを確認し、素早く活用できる体制を整えることができましたが、Reckonerの導入により、Salesforceにも正確に転記されるため、その土台がより強固になったと確信しております。

――Reckonerの仕組みが社内に浸透すれば、様々な部署・職種で業務効率化できそうですね。そして、kintoneも今後ナレッジ共有のプラットフォームとしても活用できそうですね。

――逆に大変だったことや苦労したことはありますか?

kintoneの設計において、サブテーブルを使用しているため、そこからの情報取得が複雑でした。イベントの実施内容によってサブテーブルの数が異なるので、可変なテーブルをどうReckonerで取得するかでつまずきましたが、サポートの方が代わりに設定してくれたおかげで助かりました。

Reckonerは直感的なUIではありますが、初めて扱うツールには変わりありません。具体的にどのような設定をすればやりたいことができるのか、見当がつかないこともあります。そんなとき、サポートの方がついてくれていつでも相談できるのは非常に心強いなと感じました。

様々な社内ツールを連携し業務効率化を推進していく。

――今後どのようにReckonerを活用していくか、展望をお聞かせください。

今の活用方法だとシーズン中はReckonerが活躍しますが、シーズン以外はデータ連携の必要性が低くなります。通年で活用できるよう、他の様々な社内ツールを連携させて、さらに業務効率化を推進していきたいと考えています。

――最後に、スリーシェイクやReckonerに今後期待することがあればお聞かせください。

社内業務においてまだ気づいていない非効率な部分がたくさんあると思っています。発見するきっかけとなるような他社の事例や各種情報連携できるツール、アップデート情報の提案を期待しています。

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